2007年06月22日

八百

むかしむかしあるところに



 
  
 
 



あるところに、仲睦まじい、若い男女がおりました
娘は旅芸一座の踊り子でした
男はとある貴族に仕え――主人の意に背く者の命を、密かに奪う事を勤めとする身でありました
偶然出会った二人はたちまち恋に落ち、娘は一座からはずれ、青年の小さな家に身を寄せました
仕事柄あまり帰ることの出来ない青年を
娘はよく待ち続け、ゆっくりと愛を深めてゆきました
ところがある時戦がおこり、青年は兵士として戦場へ赴く事になりました
青年は娘に言いました
「帰ってきたら結婚しよう」
「僕は君の嫌がるこの罪深い仕事をやめて、きっと君を幸せにするから」
だから待っていておくれ

そして娘に青年は、
美しい髪飾りと、自分の仕事道具だった短剣を手渡して
戦いの地へと赴いて行きました

娘は待ちました
伝え聞く戦況に彼の身を案じては、心臓に針を刺されるかのような日々
暮らしの為に一度は捨てた舞を踊り、僅かな糧で一日をしのいで
それでも青年の言葉を信じ、ひたすらに待ちました
けれど
月日が流れ、戦が終わり
やがて人々が戦の事を忘れても
青年は帰りませんでした


季節は巡り
何度目かに訪れた雨の季節
珍しくよく晴れた日の事です
いつも通りの朝を迎え、いつも通りの部屋の中
娘は髪を結い、あの日青年のくれた髪飾りをつけ
もう一つの贈り物である短剣で、
自らの胸を突いて果てました

待つことに疲れた娘が選んだ、
それは彼女にとって精一杯の結末
何時までも変わらずに、愛し続ける為の選択
約束を永遠にする為の


待ちます
だから、帰ってきてね




その家のあった場所は今は空き地になっています
そこには今でも娘の魂が残っているようで、夜中に女の姿が目撃されることもあるようです
テントを張る際には、事前によく下調べをすることをオススメいたします
このスピリチュアルスポットはこちら!(地図)


――――――



雑誌よんどったら、夏前スピリチュアルスポット特集って奴でこんな記事があったのでした
マァこーゆーんはだいたい眉唾ペッペなんですが
こないだ荷物の引き渡し頼まれたときに受取人さんちにいったら、
ちょうどそこが紹介されとった場所だったもんで
受取人さんに、おもわずそんなかんじのホラを吹いてみるました
「貴様はッ
その青年のッッ
生まれ変わった姿ッッッ」
って



目覚めなさいってやつです
posted by (流星) at 16:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
え、ちょっ…
嘘ダヨネ、嘘だと言ってエエエエエ!
全部狂言じゃなかったってか!?
ちょ、嘘嘘コレ嘘だよ、俺そんな場所に住んでるのオオオ!?

道理でやけに野郎ばっかり寄ってくると思いマシタ
女性の幽霊がいるんじゃそりゃ野郎は寄ってくるよね、なるほどねー…

むしろ目覚めの悪い話だったわっ
Posted by 喜千 at 2007年06月24日 21:48
ウェエ喜千さんいらっしゃござまし
マァマァ、雑誌のゆーことだしなァ?
気にするからイカンのです
モテモテなんはエェ事です
なめた指で眉毛をこすると騙されなくなるって噂なんでした
お試しあれァァ
Posted by 流星 at 2007年06月25日 21:08
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